日本におけるCIの第一人者であるPAOSの中西元男氏の本です。
ご本人が手がけられた数々の事例が、成功談ばかりではなく紹介されています。
記載されている事例からは置かれている環境の分析がやや足りないのではないか?という気はしますが、当時としては十分だったのでしょうし、洞察は鋭さを感じます。
必ずしもVIに矮小化されることなく、事業開発や社内活性化に通じるCIの原理原則に則した事例の数々は、大変参考になります。
また、VIの部分もしっかりと既述されており、CIの原理原則から落ちてきたVIの意義・重要性に、深く納得ができます。
私はこの本を2013年ごろに読んだと記憶していますが、それ以降、企業ロゴ(シンボル)を見る目が大きく変わりました。
昨今、シンボリックな企業ロゴは少なくなり、キャンペーンロゴのようなストレートで分かりやすいロゴが増えていますが、計算され尽くしたシンボルが持つ意味や価値に、本書でほんの少しでも触れることができると、人生が少し豊かになります。