好きな本の発行年がだんだん古くなっていくことが悲しく、いまではイノベーション・ファシリテーターとして著名になった野村恭彦氏が富士ゼロックスKDIにいらした時代の本です。
物語形式でファシリテーションを通じた組織変革の取り組みを紹介しており、とにかく読みやすい内容です。
9社の事例も紹介され、組織変革を進める過程で、どういった部分に悩み、難しさがあったのか、なにが良かったのか語られていて、組織変革に悩んでいる方には大きな励みになるでしょう。
かといって事例集ではなく、研究者の紺野登さんの解説が効いていて、具象と抽象をいったりきたりしながら、組織変革のイメージが立体化されていく感覚があります。
事例は少し古くなってきてしまっていますが、それでも、人間の行動に大きな変化はありませんので、人事の方や社内コミュニケーションに関わる方、あるいはコンサルタントの方にもヒントがあると思います。