9.11テロを中心に、災害時に生き残った人の行動や思考を、膨大な取材からまとめた本です。
タイトルからは想像もできないほど、しっかりと心理学に根ざし、災害行動はもちろん、企業での緊急時対応、あるいは飛躍するならば企業経営にも活かせる部分はあると思います。
危機的状況に直面したときに、どうしても人は「否認」をしてしまいがちです。
その否認の恐ろしさを、いくつもの災害時の事例から生々しく実感できます。
経営でも、あるいは現場の担当者でも、なにか変だと感じ、やらないといけないと頭の中で考えているにもかかわらず、「まだ大丈夫」と考えてしまうことはありませんか?
起きている目の前の事象をありのままに受け止めて、迅速に行動することでしか、危機的状況の変化には対応できないのかもしれません。
読み物としても引き込まれる良著です。