【推薦本】人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則


名著です。

シャインさんの『プロセス・コンサルテーション』をエッセイ風に読みやすくし、「支援」とは何なのかを様々な事例も紹介しながら理解できます。

人を助けるときは、上下の関係にならないように注意が必要です。

本書では、支援で3つの種類を提示しています。

・情報やサービスを提供する「専門家」
・診断し処方箋を出す「医師」
・プロセス・コンサルタント

このうち、プロセス・コンサルタントに焦点をあてている内容です。

プロセス・コンサルにあこがれて、コンサルタントになったような人間ですが、テーマはなんにせよコンサルテーションを進める際、プロセス・コンサルのアプローチを実践しようとすると、その難しさを強く実感します。

クライアント側は、考えることに悩みを持ち相談しており、コンサルタントに依頼することで時間というコストを大幅に削減しようとしているからです。

このため、プロジェクトの支援を一貫してプロセス・コンサルのアプローチで進めることはとても難しく、まさに上記の3種類を、プロジェクトの中で使い分けるような形になります。

テーマやメンバーによって影響される部分もあるのかもしれません。
支援を徹底できるだけの力量が私にはないのかもしれません。

いずれにしろ、プロセス・コンサルの考え方に触れておくだけでも、その後の人生が良い方向に進んでいくほど、影響力のあるものです。

以下の2冊もオススメです。

【推薦本】サラサラの組織


好きな本の発行年がだんだん古くなっていくことが悲しく、いまではイノベーション・ファシリテーターとして著名になった野村恭彦氏が富士ゼロックスKDIにいらした時代の本です。

物語形式でファシリテーションを通じた組織変革の取り組みを紹介しており、とにかく読みやすい内容です。

9社の事例も紹介され、組織変革を進める過程で、どういった部分に悩み、難しさがあったのか、なにが良かったのか語られていて、組織変革に悩んでいる方には大きな励みになるでしょう。

かといって事例集ではなく、研究者の紺野登さんの解説が効いていて、具象と抽象をいったりきたりしながら、組織変革のイメージが立体化されていく感覚があります。

事例は少し古くなってきてしまっていますが、それでも、人間の行動に大きな変化はありませんので、人事の方や社内コミュニケーションに関わる方、あるいはコンサルタントの方にもヒントがあると思います。

【推薦本】「コト発想」からの価値づくり


書名のとおり、技術者向けに、マーケティングってどのようなものなのかを、実践的な方法論をベースにまとめている内容です。

技術者に響きやすいように、顧客が抱えている「不」の解決からアプローチして、価値を見出していく方法は、非常に分かりやすいです。

実は、本書掲載の「不」のリストは、結構、いろいろな企画を考えるときや、ワークショップのネタとして、重宝しています。

技術者に限らず、企画担当者も、「快」とは別の軸で常に考えておきたい実践的な方法論です。

もっと売れても良い内容だと思います。

【推薦本】コーポレート・アイデンティティ戦略


日本におけるCIの第一人者であるPAOSの中西元男氏の本です。

ご本人が手がけられた数々の事例が、成功談ばかりではなく紹介されています。

記載されている事例からは置かれている環境の分析がやや足りないのではないか?という気はしますが、当時としては十分だったのでしょうし、洞察は鋭さを感じます。

必ずしもVIに矮小化されることなく、事業開発や社内活性化に通じるCIの原理原則に則した事例の数々は、大変参考になります。

また、VIの部分もしっかりと既述されており、CIの原理原則から落ちてきたVIの意義・重要性に、深く納得ができます。

私はこの本を2013年ごろに読んだと記憶していますが、それ以降、企業ロゴ(シンボル)を見る目が大きく変わりました。

昨今、シンボリックな企業ロゴは少なくなり、キャンペーンロゴのようなストレートで分かりやすいロゴが増えていますが、計算され尽くしたシンボルが持つ意味や価値に、本書でほんの少しでも触れることができると、人生が少し豊かになります。

【推薦本】機会発見ー生活者起点で市場をつくる


定量調査等を通じた分析的アプローチによる問題解決ではなく、行動観察などの定性調査を通じた創造的アプローチによる、市場を見つけ出す・創り出す方法論をまとめた本です。

実は、創造型アプローチによる実践的方法論は、『実践 創造型マーケティング』という本が2009年に産業能率大学総合研究所の編著で出版されていますが、それ以降も、エスノグラフィーやデザイン思考などピンポイントのテーマで紹介されるものはあっても、市場の創造技法を体系立てているものは、あまり見当たりませんでした。

今回の『機会発見-生活者起点で市場をつくる』は、丁寧にステップを整理し、方法論の特徴も解説され、ハンドブックのように、いつでも分からないときに立ち戻ることができる本です。

経営者やマーケティングにかかわる人は必読ですし、営業担当者が定性調査の感性を研ぎ澄ますことができると、たいへん強いです。

文系になじみのない研究開発部門の方には、驚きのある内容でしょうし、理系の方にはあえてチャレンジしていただきたい内容です。

なお、2009年の『実践 創造型マーケティング』も、たいへん刺激的な内容で、独創的な方法論がまとまっています。

【推薦本】企業文化ー生き残りの指針


企業文化とは何なのか、深く、丁寧に、事例もひもときながら、理論と実践を兼ね備えた名著です。

企業文化のアセスメントを具体的にどのように進めていくべきなのか、その社内での合意の取り方まで、ヒントは非常に多くあります。

まったく古びることがない内容です。

中小企業にもM&Aが見られるようになっているいま、あらためて、組織変革や企業文化革新に限らず、企業文化の融合を考える際にも、多くの示唆を得られるはずです。

【推薦本】「言葉にできる」は武器になる。


表現をするためには、自分の心の中にある声をいかに言葉にしていくか、それを明瞭にしていくかが大切です。

文章でも会話でもプレゼンテーションでも、伝わるコミュニケーションとは以下の2つで構成されます。

コミュニケーション=内容(意見)+表現方法

つまり、一生懸命、表現方法を学ぶ、聞くことに集中する、といったことも大切なのですが、考え方の深め方・広め方、など、内容(意見)がしっかりしていないと、どうにも薄っぺらいものになってしまうのです。

ある程度、経験を積んで型ができてしまったり、逆に経験が少なすぎたりして、どうしても思考も表現も抽象的になり、具体化できないことは誰にでもあると思います。

抽象的なものを抽象的なままで済ませて満足できるのは、文系の研究者ぐらいです。

実務のなかでは、どうしても具体⇔具体や具体⇔抽象を行ったり来たりさせなければ、考えの整理も企画立案も原因究明もできません。

広報やコミュニケーションに関わる仕事でなくても、「思考」、とくに以下に具体化していくのか、考えていることを明確にしていくのかは、すべてのビジネスパーソンにとって必要なことですので、手元に置いておきたい一冊です。

【推薦本】最前線のリーダーシップ


名著であり、困難な仕事・状況に立ち向かう時に、常に拠り所になる本です。

本当に必要な解決は常に困難であり、困難なことはハシゴを外されやすい、反発を生じやすいものです。

反発を生みださないためにどうしたらよいのか、そのようなことが書かれています。

リーダーシップとは権威ある人が発揮するものではない。

問題を認識した人が発揮すべきものである。

問題には「技術的な問題」と「適応が必要な問題」の2種類が存在する。

外科的治療が「技術的な問題」、体質改善が「適応が必要な問題」と言えます。

この「適応が必要な問題」を、どうやって解決していくのか、事例から読み解いていきます。

組織の変革活動や新しい取り組みを導入しようとするときに、なぜ反対する人がいるのか、反対をコントロールすることはできないのか、そのようなことに悩んでいる方は、ぜひ手にとっていただきたい本です。

【推薦書】企業変革とCI計画


すでに30年近く前の本ですが、まったく古びることがありません。

日本では、「CI」が1980年代にブームになりましたが、「VI」に大きく偏って拡がってしまいました。

VIも大事な要素ですが、CIは、以下の3つで構成されると考えられています。

コーポレート・アイデンティティの構成要素

  • 「VI」(ビジュアル)
  • 「MI」(マインド)
  • 「BI」(ビヘイビア)

CIとはロゴ・デザインなどの「VI」だけで完結できるものではありません。

こうしたCIの基本的な構成の解説ではなく、企業変革に活かすにはどうしたら良いのか、CIの観点でどのような組織診断を実施すれば良いのか、人材開発やリクルーティングまで落とす設計をどうするか、多くのフレームが示されています。

とても分厚く読むのが大変なので、企業文化の階層、企業文化の類型、意思決定スタイルとしての企業文化など、モデルや象限に分けた図を眺めるだけでも多くのヒントがあるはずです。

【推薦本】経営理念の浸透


経営理念そのものについての研究はありますが、理念の浸透に焦点をあてた研究はあまり多くありません。

従業員の側の視点から浸透をとらえている部分に最大の特徴があるでしょう。

理念が組織行動にどう影響を与えるのか、理念浸透の影響要因は何か、という部分の整理がされています。

学術書なので、学術論文に慣れていないと読み解くまでに少し時間がかかるかもしれません。

ただ、たとえば経営理念やミッション・ビジョンの浸透の必要性を実感しているものの、それに取り組むべき理由をうまく説明できない、説得力が足りない、という時には、拠り所になる内容です。


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