【推薦本】「言葉にできる」は武器になる。


表現をするためには、自分の心の中にある声をいかに言葉にしていくか、それを明瞭にしていくかが大切です。

文章でも会話でもプレゼンテーションでも、伝わるコミュニケーションとは以下の2つで構成されます。

コミュニケーション=内容(意見)+表現方法

つまり、一生懸命、表現方法を学ぶ、聞くことに集中する、といったことも大切なのですが、考え方の深め方・広め方、など、内容(意見)がしっかりしていないと、どうにも薄っぺらいものになってしまうのです。

ある程度、経験を積んで型ができてしまったり、逆に経験が少なすぎたりして、どうしても思考も表現も抽象的になり、具体化できないことは誰にでもあると思います。

抽象的なものを抽象的なままで済ませて満足できるのは、文系の研究者ぐらいです。

実務のなかでは、どうしても具体⇔具体や具体⇔抽象を行ったり来たりさせなければ、考えの整理も企画立案も原因究明もできません。

広報やコミュニケーションに関わる仕事でなくても、「思考」、とくに以下に具体化していくのか、考えていることを明確にしていくのかは、すべてのビジネスパーソンにとって必要なことですので、手元に置いておきたい一冊です。

【推薦本】最前線のリーダーシップ


名著であり、困難な仕事・状況に立ち向かう時に、常に拠り所になる本です。

本当に必要な解決は常に困難であり、困難なことはハシゴを外されやすい、反発を生じやすいものです。

反発を生みださないためにどうしたらよいのか、そのようなことが書かれています。

リーダーシップとは権威ある人が発揮するものではない。

問題を認識した人が発揮すべきものである。

問題には「技術的な問題」と「適応が必要な問題」の2種類が存在する。

外科的治療が「技術的な問題」、体質改善が「適応が必要な問題」と言えます。

この「適応が必要な問題」を、どうやって解決していくのか、事例から読み解いていきます。

組織の変革活動や新しい取り組みを導入しようとするときに、なぜ反対する人がいるのか、反対をコントロールすることはできないのか、そのようなことに悩んでいる方は、ぜひ手にとっていただきたい本です。

【推薦書】企業変革とCI計画


すでに30年近く前の本ですが、まったく古びることがありません。

日本では、「CI」が1980年代にブームになりましたが、「VI」に大きく偏って拡がってしまいました。

VIも大事な要素ですが、CIは、以下の3つで構成されると考えられています。

コーポレート・アイデンティティの構成要素

  • 「VI」(ビジュアル)
  • 「MI」(マインド)
  • 「BI」(ビヘイビア)

CIとはロゴ・デザインなどの「VI」だけで完結できるものではありません。

こうしたCIの基本的な構成の解説ではなく、企業変革に活かすにはどうしたら良いのか、CIの観点でどのような組織診断を実施すれば良いのか、人材開発やリクルーティングまで落とす設計をどうするか、多くのフレームが示されています。

とても分厚く読むのが大変なので、企業文化の階層、企業文化の類型、意思決定スタイルとしての企業文化など、モデルや象限に分けた図を眺めるだけでも多くのヒントがあるはずです。

【推薦本】経営理念の浸透


経営理念そのものについての研究はありますが、理念の浸透に焦点をあてた研究はあまり多くありません。

従業員の側の視点から浸透をとらえている部分に最大の特徴があるでしょう。

理念が組織行動にどう影響を与えるのか、理念浸透の影響要因は何か、という部分の整理がされています。

学術書なので、学術論文に慣れていないと読み解くまでに少し時間がかかるかもしれません。

ただ、たとえば経営理念やミッション・ビジョンの浸透の必要性を実感しているものの、それに取り組むべき理由をうまく説明できない、説得力が足りない、という時には、拠り所になる内容です。

【推薦本】世界の経営学者はいま何を考えているのか


コーポレート・コミュニケーション分野でも非常に参考になります。

たとえば「トランザクティブ・メモリー」。
著者の入山氏はこれについて以下のようにまとめています。

「近年の組織学習研究においてきわめて重要な考え方となっています。それは人の記憶と組織の記憶のメカニズムの違いを説明する決定的な考え方の一つといえます。

その基本発想はいたってシンプルです。トランザクティブ・メモリーとは、組織の記憶力に重要なことは、組織全体が何を覚えているかではなく、組織の各メンバーが他メンバーの「誰が何を知っているか」を知っておくことである、というものなのです。」

簡単に言えば「ノウフー」の表面化と共有化です。
広報・PR、コーポレート・コミュニケーションでは、社内で幅広く人脈を築き、媒体の要望、あるいは社会の要望と社内の人物を適合させていく作業を常にしているはずです。

こうした作業を、社内で共有化していくことが、組織の記憶力を高めていくことにつながり、コミュニケーションの効率化・活性化につながります。

本書では、「ソーシャル・キャピタル」(社会関係資本)についても触れています。
人間関係を資本としてとらえた理論とでも言えばよいでしょう。
この中で「ストラクチュアル・ホール」(構造的な隙間あるいは構造的空隙)という概念を紹介。これもコミュニケーション職で需要な概念です。

「バートが生み出したストラクチュアル・ホールの概念は、現在のソーシャル・ネットワーク研究においてきわめて重要なものとなっています。ストラクチュアル・ホールを多く持つ人は、ネットワーク上に流れる情報や知識をコントロールすることができるようになるため、それを利用して得をすることができる、という考えなのです。」

コミュニケーション職では「得」の部分はいったん横においておくとして、ネットワークとネットワークの間に立ち、情報や知識をコントロールしていくことは間違いなく仕事の一部に含まれています。

逆に言えば、情報や知識がコミュニケーション職に入っていないのであれば、それはネットワークとネットワークをつなぐことができていない、ストラクチュアル・ホールを持っていないということです。

このように、関係性構築を目指す仕事といえる広報・コミュニケーション職こそ読んでもらいたい一冊です。

 

 


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